16年前、新聞で読んだ話です。ほんとかどうかは保証しません。
「阪神・淡路大震災」の直後、主な金融機関は義援金の受付を行いました。
ある銀行でのこと。幼い兄弟が義捐金の申し出をしたが、窓口の行員が拒否したんだと。行員の曰く「そんな小銭を貰っても被災者の人は困るだけじゃないの」と。
子供相手で書類を書いたりの作業が、煩雑になることを厭うてそう言ったんだろうか。でも無神経ですよね。お年玉から拠出したお金かも知れないのに。
困った顔の兄弟を隣で見ていた主婦が、義憤に駆られて言ったそうだ。「あんたたち、おばさんについといで!」
彼らを近くの郵便局に連れて行って、無事に義援金は収納されたといいます。よかったね。幼い兄弟が、他人の痛みがわかる立派な青年に育っていてくれればと思います。
あのとき、私も銀行に行きました。「義援金」って、すてきな言い回しです。時代劇で「義に依って、助太刀致す」という言い回しがあるでしょう。日常生活じゃなかなか使うことはないけど。義援金にはそういうテイストがあります。
しかしまあ。
16年前だからこれで済みましたが、今だったら大変だろう。ブログやツイッターで「あの銀行の窓口はとんでもない」と言われ、数日のうちに取り付け騒ぎになるんじゃないかな。
ではまた。
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